タイトル:「すべて、ひとつの愛に」
詞:松井五郎 曲編曲:崎谷健次郎
発売日:2011/5/18
配信:ユニバーサルミュージック
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「すべて、ひとつの愛に」に寄せて
歌がまるで未来を予見していたかのような作品になることがある。
この歌の制作がはじまったのは震災よりもずいぶん前だった。
歌詞のテーマも崎谷君からの提案を元に書いたものだ。
彼ももちろんその後に起こることなど想像もしていなかっただろう。
それでも完成した歌は、まるで悲劇を乗り越えようとする人たちへの
メッセージともとれるものになった。
ただ、よく考えてみれば、
僕らが捕らえようとしていたのは、人の本質だったのかもしれない。
そして悲劇は人の本質を浮き彫りにする。
その意味で、結果として、この歌は生まれるべくして生まれたもののように思える。
僕は気休めのように優しい言葉を並べる詞はあまり好まない。
「すべて、ひとつの愛に」もどちらかといえば、
現実の厳しさを表す言葉も多く並ぶ。
その上で、生きることと愛の本質を問うてみたかった。
実は、「愛」とは漠然とした言葉である。
その言葉をリアルにするのは、その言葉からはじまる、
それぞれの人の行動や形ではないのか。
崎谷君の「愛」が聴いてくれる人たちにどう伝わるのか。
そして、そこからの未来は、どんな未来なのか。
歌は命を継ぎ、命は歌を継ぐ。
崎谷健次郎と共に在るすべての人に、
この歌が新たな絆となることを祈っています。
松井五郎